今年に入って親知らずを2本抜きました。
いくつになっても歯医者さんてのは怖いものです。。。
歯科受診について興味深い本を見つけたのでご紹介。
アマゾンのレビューにも似たようなことが書いてありますが、副題の「歯科に行く前に読む本」ではなく、「(読むと)歯科に行けなくなる本」のように思いました。
個人的に興味深かった内容
虫歯、ブラッシングについて、
・殆どの歯科医師の行為は「治す」ではなく「直す」行為
・正しいブラッシングを指導できる歯科医・衛生士の存在は殆どいない
・歯周病は治る病気ではなく、現状の維持を目指すのが最良の治療であり、それすらでない歯科医師が殆ど
・成人虫歯の殆どが幼児期に発生したもの
インプラントについて、
・インプラントの終末像は楽観的に考えても、「皮膚のトゲと同じ範疇」であり、身体にトゲが刺さった状態で問題が無いということはあり得ない
・インプラントの寿命は「6〜7年」
・インプラントブームはインプラント資材業者が仕掛けている
・抜歯される問題の多くが「歯内療法」によって救うことができる
・歯内療法よりインプラントが好まれるのは技術的問題と利益が高いからである
歯科矯正について、
・元来もっている歯並びの悪さや噛み合わせの悪さが身体に影響を表すことはなく、歯並びの悪さと歯周病の関係性を示した論文は存在しない
・審美的・機能的な観点からの矯正にせよ、自然の歯並びに勝るものは無く、歯列矯正は全て「自然」→「不自然」にすることである
顎関節症について、
・TMD(顎関節症)の治療をできる歯科医師も殆どいない
・スプリントも殆ど意味がない
・TMDと噛み合わせに関連性を示した論文は存在しない
といったことが書かれていて、非常に興味深い内容なのですが、その解決方法が記載されていない。
さながら「歯科ペシニズム」本と言った感じです。
おそらくここに書かれていることは事実なのでしょうけど、「ではどのように歯を維持し、良い歯科医を見つけられるのか?」が書かれていなければ、歯科の問題に悩む人をより悩ませるだけになるのは当然かと思います。
著者が考えた「飯塚ブラッシング法」といのが紹介されていて、既存のバス法などのブラシング法よりも効果が高いと書かれているのですが、その具体的方法の記述はなく、それを指導している歯科医院の紹介のみ(京都は無い)で、ネットで「飯塚法 歯科」と調べてもまったく情報が出て来ません。
歯内療法についても同様。
文庫本に全てを求める訳には行きませんが、せめてそのブラッシング法くらいは載せていただいても良かったのではないかなと思います。
あとがきにも、
「この本は歯科医療に行こうとしている人々、通院している方に読んでもらうことを目的としてかきましたが、同時に多くの歯科医師たちに読んでもらうことを目的としています。」
「本書を読んだ歯科医師たちの中で、自分の行っている歯科医療を基本的なところで見直してみようと考える歯科医師が、1人でお多く出てくることを期待します。」
と書かれていました。
医療行為のジレンマに、「治療の有無によってその人の治癒が促進したという証明はできない」ということがあると思います。
治療を行ったから良くなったのか、治療をしなくても良くなったのか、治療をしなかった方がより早く治ったのか、確かめる術は全くないということです。
医療行為も産業でありサービスと言われますし、事実そうなのですが、医療従事者のすべてがただお金の為に働いている訳ではなく、やはり、少なくとも根源にあるモチベーションは「良くしてあげたい」という想いの基にあると思います。
歯科医療のように不可逆的(取り返しのつかない)医療行為を行っているという自覚を持てと、啓蒙している書籍なのだと思います。
患者側も自分の体に行われている重大な行為に最低限の知識を身につけておくべきということだともいます。
が、この書籍だけでは本当に不安を煽るだけですので、著者には何かしらの続編を期待せざるを得ません。
ま、それ以上は専門分野であるのだから、著者の出している歯科書籍を読めということかもしれませんが。。。
参考リンク
歯科インプラントについて かずの歯科
歯科受診の常識―歯科に行くまえに読む本 (aiikusha books)
京都市中京区オステオパシー整体OQ(オク)治療室