火曜日は朝6時から
OQ&
OQLの勉強会(といっても2人)
前夜はイギリス研修から帰ってきた資料整理をして、明日の勉強会でやるため2時ごろまで起きていたので、5時半に起きられるかどうかだったのですが、言い出しっぺの私が遅れてしまうと示しが付かないのでなんとか起床し、
OQへと向かいました。
ところがどっこい誰もいない。
嫌な伊悪寒・・・
6時半まで待っても来ないのでユウコさんに電話したところ・・・
寝起きの声が聞こえ、発狂
「7時には来いよ」と罵ると、スッピンのユウコさんが息を切らして到着。。。
しばらく不機嫌でmacに向かう私も気を取り直し、予定を変更して人体模型を使って勉強会開始。
その後、10時からの
OQの患者さんが来られ、13時から
OQLの患者さん。
寺町御池で私が開業した時、商店街の方々に、
【これから商店街の一員として開業させていただきます坂田です。ご挨拶の代わりとして無料で治療します。】
と、200枚手配りで挨拶に回りました。
四条大宮に移転してからはそのようなことはしなかったのですが、ユウコさんもしなさいよ、と、同じ事をしてもらいました。で、今日はその初めての方。
老舗が並ぶ三条名店街では本当に嫌な思いもしたので、最初の方で辛酸をなめることになるだろうと、治療後のユウコさんを見に行くと、案の定泣いていました。
憂すら笑みを浮かべ「どうしたの?」と聞くと、
『喜んでもらえた、練習してて良かった』と・・・
わたくしは、身震いがしておしっこどころか、う●こが漏れそうになりトイレに駆け込みました。
(ああ、自分が患者さんを治療して喜んでもらって涙を流す程嬉しかったのはいつのことだろう・・・)
OQLが1月から開業してほぼ3ヶ月。
何の伝手も無い無計画では私も負けることがありませんでしたが、少しずつ患者さんが来られて、正直
OQに来ていただくより嬉しい気持ちがありました。
とは言え、私が開業した4年前よりも集患は難しく、我を顧みず大変なユウコさんを罵り、泣かせておりました。
「女の涙に男は弱い」と言いますが、氷の
♡を持つ私は、「泣け、喚け」と、微笑を浮かべ、眺めておりました。
でも、この喜びの涙は本当に嬉しい。
ユウコさんも私も手技療法と言うよりも、人に触ることが大好きです。
この道を目指す人は恐らく全てその気持ちで入ってきたのだと信じています。
しかし、開業=経営にあたり、お金を稼がなければいけないと言う現実にぶち当たります。
雇われている時はポカ〜ンと口を開けていても来ていた患者さんが来ない。
患者さんを集めなければ食べていけない・・・
「手技さえ巧ければ、良い治療をしていれば患者さんが来るなんて治療家の幻想だよ。」
そんな業界で流行のフレーズに惑わされ、
「治療をして患者さんに喜んでもらうために勉強する」
ことから、
「患者さんが来てもらうために技術を向上させなければならない」
と、間違ったベクトルに変わっている部分がありました。
それに気づきつつも、
「この仕事が好きだから勉強に行っている」
と、ごまかしていた部分もあり、以前ほど楽しめない部分が出ている自分がありました。
憧れであった海外研修をこの1年で実現し、初心に返る思いがあり、この度のユウコさんの涙で本当に私が勉強するのはやはりこのためなのだと改めて感じさせてもらうことができました。
ユウコさんと私の元上司と話している時に、
「お世話になっている師匠に何か返さないといけないですね。」
と、言ったことがあり、その上司は、
「君は若いから分からんやろうけど、上から貰ったもんはな上に返すんやなくて下に返すもんなんや。」
と言われたことを思い出しました。
イギリスのクリス先生は、
「オステオパシーはA.T.スティルによって見出され、J.M.リトルジョンに受け継がれ、J.ワーナムからクラシカルオステオパシーとして私に、そして皆さんに伝えられています。」と仰り、
アメリカのコンランド先生は、
「
A.T.スティルの肩越しに、W.G.サザーランドは学び、その肩越しに、R.E.ベッカーが学び、その肩越しに私が学び、その肩越しにあなた方が学ばれているのです。」と仰っていました。
連綿と続くオステオパシーの波の中に私達は泳いでいるのだと。
オステオパシーに限らず、あらゆる治療体系は先達の偉大な知恵の上に成り立つ教えの中に私達は学んでいるのだと思います。
偉大な先達の足下にも及ばない私でも、そのほんの欠片でも今朝伝わったのかもと妄想し、喜んでいるのだと思います。
ユウコさんが3階で開業する前に、
OQで話しているときに自分がみている不妊症の方がうまく行かなかったと、悔し涙を流している姿を見て、
「この人となら私でも一緒にやれるのではないかな。。。」そう思い、よければ3階を使わないかと声をかけました。
もし、この気持ちを忘れることが無ければきっと、うまくいく。
私なんか足下に及ばないくらいに。
そうな純粋な喜びを常に維持することはできないでしょうけれど、どんな時でもその気持ちが根底にありさえすれば何とかなるのだと思います。
義務として勉強会に出るのではなく、良くなってもらえない一人の患者さんを思い勉強する。
そして、それを治療として患者さんに返し、あらゆる気持ちを手を通して、また形として返す。
そんな治療院で在りたいと思います。
また来週もちゃんと早起きしたいと思います。